::: きれいのたね diary :::

オーガニックサロン「きれいのたね」です

阿修羅像に想う…


先日の定休日、東京国立博物館で開催中の
興福寺創建1300年記念 国宝 阿修羅展』を
母と観に行きました。


興福寺・・・。
小学校の修学旅行で、行ったような、行ってないような。


仏像が特別好きなわけでも、興味があるわけでもない私が
これ、観に行きたい!と思ったのは、
以前通りかかった千葉駅のラックに設置してあった
このチラシがきっかけでした。

   


絶妙な位置に配置された阿修羅像と、背景のピンク地の
組み合わせがあまりにも斬新で、その調和によって
阿修羅像がとても美しく、魅力的に見えたのです。
(もし、バックが黒や茶色で、全体的に渋くまとまっていたら、
 たぶんそれほど行きたい衝動には駆られなかったように思います。)


チラシを眺めていると、色んなことが気になり出しました。
なぜ顔が3面もあり、なぜそんなに憂いのある、なんとも言えない
表情をしているのか・・・
仏像にしては痩せているし、後ろの手の動きは何を表しているのか・・・
どんどん興味がわいてきたのです。


朝の新聞の記事で、好評につき(6月2日に80万人を突破したとか)
最終日まで毎日夜8時まで延長し開催していることを知り、
以前から行きたいと言っていた母と、新宿でゆっくり買物や食事をしてから
上野駅へ向かったのでした。
平日の午後ならそれほど混んでいないのでは・・・と
高を括っていたのですが、やはりそんなに甘くはありませんでした。
上野駅下車直後から、人、人、人・・・。


入口付近で、なぜか海外っぽい雰囲気の看板が、
待ち時間を教えてくれました。

なんと100分!
ですがここで引き返すわけにもいかず、覚悟をきめて並びました。



なかなか辿り着かない・・・の図。


その後、看板の案内通り、丁度100分後、やっと入れたと思ったら、
当然、館内も人、人、人。
流されるようにようやく辿り着いた念願の阿修羅像。


・・・これが、すごかった!


「時計回りに回ってくださーい!」という係員の叫び声に従って、
まさに「おしくらまんじゅう」状態で
ゆっくり、ゆっくり渦を巻き、阿修羅像を凝視する人々。
たぶん、そこにいる全員が思っていたに違いない。
「阿修羅の方が回ってくれたらいいのに…」と。


さて、私もがんばって渦に巻かれながら、上から下まで、
360度、しかと拝観しました。
神様でありながら、一見、人間のように見え、
(例えば耳の凹凸の違いや、鼻の穴がないなど
 曖昧につくられた部分が多いのだとか)
そのあたりが、よりミステリアスなイメージをつくっているようです。


今、世の中は「仏像ブーム」と言われ、
雑誌で何ページにもわたり特集が組まれたりと、
特に若い女性を中心に地方の仏像巡りなどの人気も
高まっているそうです。
ですがこの現象、「ブーム」と言うよりも、
現代の女性たちが求めていることの「現われ」で
あるようにも思います。
「物」ではない、なにか「精神的なもの」、「癒し」。
そういったものを、あのおだやかな仏像の姿や、
シンと静まり返る地方のお寺に求めるのかもしません。


「スピリチュアル」なんて、ひと昔前に口にすると、
「あぁ、“あっち” 方面の人だな…」と敬遠されがちでしたが、
今では、一般的に使われるようになりました。
同じ様に、「ヨガ」も「あやしい」の代名詞だった時代は遠に過ぎ
今では若い女性の習い事の上位にあげられる時代となりました。
(きれいのたねのヨーガも人気のレッスンです!)


何千年もの間、移り行く世の流れを、何も言わずに
ただ、眺めてきた、神様のようでありながら、
どこか人間のようでもある仏像たち。
人は、そんな仏像を眺め、鏡を見る様に、
どこかで自分自身を重ね、奥底の自己を見出すことで、
真の癒しを得るのかもしません。


色々考えさせてくれたこの『阿修羅展』。
いよいよ、残すところあと2日間。
時にはこういう時間も良いなぁと思いました。おすすめです!
(並ぶことと人の多さに耐えられれば・・・)



孫に見せてあげる為に写メを撮る母の図…。



それにしても、ミュージアムショップに行くと、
クリアファイルとポストカードを買ってしまうから不思議です。
あと、阿修羅の故郷、インドでつくられた不思議な「鈴」も購入しました。
とっても美しい、澄んだ音がするのですよ。
実は今、きれいのたねサロンのエントランスのドアに
付いていますので、是非聴きにきてくださいね!



posted by nana